FXは決して難しい理屈ではない!

FX為替の先渡ないし直先の相場は、投資の世界での大原則“無裁定”(アービトラージ・フリー)の考え方に基づき決まります。

FX為替に限らず先物/先渡やオプションをはじめデリバティブ商品は、すべてこの無裁定理論のもとで理論価格が決定します。

ここで無裁定とは、裁定により利益が得られないことを指します。もう少し詳しく言えば、裁定取引(売りと買いとを同時に組み合わせたリスクのない取引)を行っても、投資家は確定収益が得られないことを意味します。

たとえばS投資ファンドが、為替直物レートを複数の銀行に照会したとしましょう。各行からの1米ドル当たりのレート提示(bid-offer)は、A銀行が90.00-02円,B銀行は90.01 - 02円,C銀行が89.99 - 01円です。

このとき、S投資ファンドが米ドルを購入する場合は、offerの90.01か90.02円のうち比較的安いC銀行提示の90坦円を選択します。

一方で、彼らが米ドルを売却する場合には、bidの89.99から90.01円のうち最も高い90.01円を当然選びます。

その状況のもとで同時に米ドルの売りと買いとを組み合わせても、買値も売値も共に90.01円ですから、同ファンドは売買差益を得ることが不可能です。これが無裁定です。

ちなみにこのとき、FX直物レートの理論価格は90.01円となります。為替市場が十分に効率的であれば、ファンダメンタルを適切に反映したしかるべき市場価格(理論価格)が形成されます。

無裁定の例をもう1つ挙げますと、東証(東京証券取引所)と大証(大阪証券取引所)とで共通に上場されているT社株です。

投資家が同株式を東証で購入するのと同時に大証で売却しても、あるいは逆に大証で購入するのと同時に東証で売却しても、理論的には差益は得られません。

株式市場が十分に効率的であれば、東西いずれの取引所でもしかるべき市場価格が形成されます。取引所間での価格差は、理論的には生じないのです。